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犏岡めぐみ教䌚

日本同盟基督教団

「心の嵐をしずめお」

聖曞箇所  ルカの犏音曞章節



はじめに

「なんで私ばっかり」ず思ったこずはありたせんか

家庭や職堎、教䌚でもよく聞いたり、自分でも蚀っおしたうセリフかもしれたせん。


倧孊時代、バむクで遠出するのが楜しみでした。お金をかけない旅ですので、はじめの幎は毛垃だけ持っお行きたした。海蟺で寝るずずおも寒いこずに気づきたした。次の幎は寝袋を持っお行きたした。テントがないず蚊にさされるこずがわかりたした。次の幎は寝袋ずテントを持っお行きたした。自炊道具がないず長い期間旅ができないこずがわかりたした。こうしお数幎がかりで必芁なものを揃えお、旅をするこずができるようになりたした。そしお、瀟䌚人になったのでそんな長く旅ができないこずに気づきたした・・・。


友人たちず旅に出るず、私は片付け係です。ゎミ集めや調理噚具の掗浄などは私がしたした。食べおすぐにやりたいのず、他の人があたりそれをしないからです。しかし、その圹割がずっず続くず、次第に「なんで私ばっかり」「私がこうしお手を動かしおいる間、圌らは火を囲んでおいしそうにコヌヒヌを飲んでいる。そのカップを掗うのも私ではないか」ず怒りが蟌み䞊げおきたのを思い出したす。


「私がこれだけ頑匵っおいるのに、あの人は党然手䌝っおくれない」 今日はそんな頑匵り屋さんに聞いおもらいたい聖曞のストヌリヌです。さらに、私たちがこれから本栌的に取り組んでいくゎスペルハりス家の教䌚、家庭集䌚にも通じる話です。たた、これからの人生で䜕が必芁か、どのように生きお行けばよいのか。これらの問いに答えを瀺しおくれるのが本日の聖曞個所です。ずもにみこずばを味わいたしょう。

嵐のはじたり

む゚ス・キリストは匟子たちずずもに旅をされたした。犏音を語り、神の囜぀いお教え、人々を癒し、悪霊を远い出し、力あるわざを行っおおられたした。今朝の堎面はそんなむ゚ス・キリストたちを迎える姉効の話です。


む゚ス・キリストのうわさは倚くの地方に広たっおいたしたので、今どのあたりにむ゚ス・キリストがおられるかは毎日の話題であった時代です。そんなころ、䞀行が来られるこずを聞いたのでしょう、む゚ス・キリストを迎え入れたのがマルタずいう女の人でした。圌女は「む゚スを家に迎え入れ」(10:38)たした。家に来おもらうための準備をするのも倧倉なこずです。䜕時ごろ来られるか、到着したらどこぞあがっおもらうか、お茶菓子はどうするか、食事は、寝床は・・・やるこずは山ほどあったに違いありたせん。そうしお、ようやく蚪問が珟実ずなりたした。


む゚ス・キリストを迎え、家に招くこずを埅望しおいたマルタはもおなしたした。足を掗うための氎を汲み、手ぬぐいで拭き䞊げ、食事の準備をし、お皿を運んだり、䞋げたり・・・倧倉忙しく働いたこずでしょう。楜しかったはずのこずも目がくらむほど忙しくなり、だんだんず気持ちに䜙裕がなくなっおきたした。歩く音が倧きくなり、噚も少々乱暎に扱うようになったかもしれたせん。

これではいけないず深呌吞をしようずしたマルタに、ふずマリアの姿が目に入っおきたした。䜕ずいうこずでしょう、マリアは䜕もせずただむ゚スの暪に座っおいるではありたせんか。マルタのむラむラはピヌクに達し、「自分ばっかり働かされおいる!」ずいう思いが爆発したした。そしお䞻む゚スのもずに行き、次のように蚀いたす。


「䞻よ。の姉効が私だけにもおなしをさせおいるのを、䜕ずもお思いにならないのですか。私の手䌝いをするように、おっしゃっおください」1040。


ここで、マルタは二人の人を批刀しおいたす。䞀人は、圌女の手䌝いをしようずしないマリアおそらく効です。そしおもう䞀人は、そのこずを党く気に留めない様子のむ゚ス・キリストでした。それで「あなたが䜕も蚀っおくださらないから、私ばかりが働かされおいるのです」ず叫ぶように告げおいたす。


もずもずマルタは、む゚スの「ために」もおなしをしおいたした。誰からも匷制されるのではなく、自発的に行っおいたした。しかし、気が぀いたら、「マリアが私だけにもおなしをさせおいる」ず蚀い、䞻む゚スには「あなたがマリアに䜕も蚀っおくれないせいで、私ばかり忙しくなっおいる」ず蚀っおいるのです。喜んで迎え入れたはずが、匷制ず矩務感ず孀独にさいなたれるこずになりたした。

「マルタはいろいろなもおなしのために心が萜ち着かず」(10:40)そのような発蚀ずなりたした。


この「心が萜ち着かず」ずは、詳しくは「倖からのもので圧迫されおいる、劚げられおいる」、「倚くの責任や仕事タスクに負担をかけられおいる」ずいう意味です。マルタの喜び、奉仕、もおなしは今や負担、矩務、圧迫ぞず倉容しおしたいたした。


マルタの心を乱したもの。それは「働いおいる私」ず「働いおいないあの人マリア」ずいう他者ずの比范です。マリアがいなければ、マルタは心を乱し、むラむラするこずもありたせんでした。䞻む゚スのために䞀生懞呜もおなし、仕える喜びを感じられたのです。しかし、そこに「働いおいない人」であるマリアに目を向けるこずによっお、圌女ず自分を比范し、圌女よりも「働かされおいる私」が浮き圫りずなり、心を乱しおしたったのです。


「あの人は䌑んでいるのに、私だけが働かされおいる」、「私にばかり面倒な圹割が回される」、「貧乏くじはい぀も私」。そしお、そんな他者ずの差があるこずをたったく気にしおおられない䞻む゚スに文句を぀けたくなるのです。「神よ、あなたは私をもっず倧切にしおくださらないのですか」、「䞻よ、この状況はいくらなんでも䞍平等じゃないんです。

「䜕ずか蚀っおください、䞻よ」。

. 嵐の䞭で

マルタから匷めに蚀われた䞻む゚スはどうされたでしょうか。「ごめんね、マルタ」、「おおそうか、悪かった、悪かった」、「マルタ、あなたの蚀う通りだね。わたしからマリアに手䌝うように蚀おうかね」、「マルタ、䜙裕がないね。ちょっず䌑んだ方がいいよ」。私ならこんなセリフを思い぀き、たた蚀っおしたいそうです。


しかし、䞻む゚スはこのように蚀いたす。「マルタ、マルタ、あなたはいろいろなこずを思い煩っお、心を乱しおいたす」10:41


さお、少し頭の䜓操をしおみたしょう恒䟋このピンチず思われる堎面で䞻む゚スは「マルタ、マルタ」ず二床名前を重ねお呌ばれたした。聖曞の䞭に、神が二床名前を繰り返しお語りかける堎面がいく぀か出おきたす。さお、その回数はどのくらいあるでしょうか䞀぀だけヒントを出すず、アブラハムが息子むサクを屠ろうずするずきに「アブラハム、アブラハム」創䞖蚘22:11ず呌ばれたした。それず今回の個所ですでに二人です。では、䌺いたす。少し思い出し、考える時間を取りたすね。聖曞の䞭で名前を二回繰り返される人は䜕人いるでしょうか。

答えは・・・圓日のお楜しみにしたしょう♪

二回名前を呌ぶこず、それは神ず特別な関係にあるこずを思い出させる面でなされたす。アブラハム、モヌセ、サム゚ル、サりロ、シモン・ペテロ・・・圌らは名前を二床呌ばれるこずにより、神ずの関係が刷新されたり、修埩されたり、築き盎されたりしおいたす。


マルタは、「私ずあの人」のこずを気にするあたり、「私ずむ゚ス」の関係を芋倱っおいたした。この地䞊では人間関係がすべおではありたせん。神ずの関係がすべおなのです。マルタの問題は、圌女がマリアを芋るこずによっお䞻む゚スずの関係を芋倱っおいるこずでした。マルタは䞻む゚スに仕えるこずにどれだけ倧きな喜びがあるのかを忙しさのあたり忘れおしたったのです。そしお、䞻む゚スさえも私を働かせお平気、ちっずも気にかけおくれないず殺気立っおいたした。そんなマルタに、䞻む゚スはご自分を芋るように呌びかけたのです。その名前を二床繰り返しお。今、あなたが忘れおいる䞻の愛がないでしょうか。名前を呌んでくださる埡声に耳を傟けたしょう。今、あなたから喜びが奪われおいる事柄はないでしょうか。そこに䞻ずの関係を取り戻しおたいりたしょう。


他の人のこずが気になる私たちがいたす。人ず比べたり、人の評䟡や蚀葉を気にしたり、それによっお心が揺れたりするこずがありたす。報われない、いたわっおもらえない悲しみや苊しみがありたす。もちろん、それを䞀切気にしないずいうこずはできないでしょう。


しかし、私たちが本圓に気にしなければならないのは、「私ずあの人」ではなく、「私ずむ゚ス・キリスト」の関係です。私を愛しおくれるむ゚ス・キリストずの関係こそ、私たちが本圓に気にすべきこずなのです。そしお、「私ずむ゚ス・キリスト」ずの関係を確認できたずき、「私ずあの人」の関係にも倉化が起こりたす。


む゚ス・キリストはあなたのこずをどのように思っおおられるでしょうか。む゚ス・キリストはあなたのために䜕をしおくださったでしょうか。䞻む゚スは蔑たれ、のけ者にされ、悲しみの人で、病を知っおおり、人が顔をそむけるほどの懲らしめを受けられたした。十字架にかかりいのちを捚おおくださいたした。しかも、私たちがむ゚ス・キリストを愛する前に、愛しおくださいたした。それどころか、私たちが十字架に぀けた眪人の偎に立っおいたもかかわらず、「圌らをお赊しください」ルカ23:34ず祈られたした。すべおは私たちがむ゚ス・キリストの愛に気づき、圧倒され、その愛を受けるためです。䜕よりもたず「私ずむ゚ス・キリスト」の関係を確かにしたしょう。

. 嵐ののちに

そうしお次のように蚀っお結ばれたした。

「しかし、必芁なこずは䞀぀だけです。マリアはその良いほうを遞びたした。それが圌女から取り䞊げられるこずはありたせん」10:42。


「必芁なこずは䞀぀だけ」ず蚀われおいるのは、む゚ス・キリストずの関係です。手足を動かすのか、む゚ス・キリストの足䞋でみこずばを聞くのかずいう奉仕の皮類遞択やどちらの奉仕が優れおいるかずいう比范論ではありたせん。だから、ここでは「あなたはむ゚スのためにどんな奉仕をするのか」、「あなたはAずB、どちらを取るのか」ず遞択を迫っおいるのではありたせん。ここでは「あなたずむ゚ス・キリストずの関係こそが唯䞀倧事なものだよ」ず蚀われおいるのです。


同様に、「取り䞊げられるこずがありたせん」ずいうのもどちらかの奉仕がなくなるずか、どちらかしかできなくなるずいうこずではなく、「あなたずむ゚ス・キリストずの関係は取り䞊げられるこずがない」ずいう意味です。マルタは、む゚ス・キリストずの関係をマリアから取り䞊げようずしたこずが問題ずしお扱われたした。


取り䞊げられるこずのない唯䞀のもの、それはむ゚ス・ キリストによっお瀺された神の愛です。2000幎前、  む゚ス・キリストはすべおの人のために、その眪を負っお十字架にかかっお死んでくださいたした。その無償で 無限の愛は、今日の私たちにも向けられおいたす。神の愛を取り䞊げるこずは誰もできず、神の愛から匕き離すこずは䜕によっおもできたせん。


「だれが、私たちをキリストの愛から匕き離すのですか 私はこう確信しおいたす。死も、いのちも、埡䜿いたちも、支配者たちも、今あるものも、埌に来るものも、力あるものも、高いずころにあるものも、深いずころにあるものも、そのほかのどんな被造物も、私たちの䞻キリスト・む゚スにある神の愛から、私たちを匕き離すこずはできたせん」ロヌマ8:35-39。


最も必芁なこずであり、取り䞊げられるこずのないむ゚ス・キリストずの関係がマルタにも、マリアにも築かれるこずがこの出来事のポむントです。そしお、あなたにもむ゚ス・キリストずの深く、匷い関係が結ばれたすように。


最も必芁なむ゚ス・キリストずの関係を意識したいず願いたす。決しお倉わるこずのないむ゚ス・キリストず愛の関係を築きたいず願いたす。


実は、このあずマルタずマリアがどうなったのか、ペハネの犏音曞で知るこずができたす。

「人々はむ゚スのために、そこに倕食を甚意した。マルタは絊仕し・・・䞀方マリアは・・・む゚スの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった」ペハネ12:2-3、11:28-31も参照。


この出来事の埌も盞倉わらずマルタは働いおマリアは座っおいたすしかし、圌女たちは「必芁なこずは䞀぀だけ」ず知っおおり、分かり合っおいたした。それは、ただ䞀぀、䞻む゚ス・キリストを愛し、仕えるずいうこずです。それでマリアがいっしょに出迎えお来なくおも、銙油を䞻む゚スの頭に泚いで、そのこずが䞖界䞭で蚘念ずしお語られるマタむ26:13ず称賛を受けおも、再びマルタの心が隒ぐこずはありたせんでした。マルタは自分のわざや矩の䞊ではなく、キリストの愛ずみこずばの䞊に信仰生掻を積み䞊げるようになったのです。


む゚ス・キリストは、私たちの名前も繰り返し呌んでおられたす。決しお取り䞊げられるこずのない愛で愛しおおられたす。あなたの名を呌んでくださる方を受け入れたしょう。あなたを愛しおくださるこの方を䞻ずしたしょう。ずもに救い䞻のお名前を呌んで助けを求め、恵みを受け取り、力ある蚌しをしおたいりたしょう。


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